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フィールドワークについて

フィールドワークの概要

プレミアム・カレッジでは、総合大学である東京都立大学の有する多様で豊かな教育研究資源を生かし、文系科目から理系科目、文理融合科目まで、多彩な科目を開講するとともに、教室内での講義に加え、現場で、「五感で理解」することを重視します。

東京都などとの緊密な連携関係に基づき、都政の広大な施策の現場を活用したフィールドワークを、授業に積極的に盛り込んでいます。

フィールドワークの実施例

【プログラム科目群】多摩・島しょ地域の自然

テーマ:現地で見る多摩丘陵の地形・地質
実施日:2024年6月12日(水)

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本学地理環境学科教授・鈴木毅彦先生の案内で、京王線の長沼駅から多摩丘陵の北側斜面にある都立長沼公園の沢沿いの道を尾根まで登りました。登り始めに 100 万年以上前の東京湾の海底で堆積してきた「上総層群」という地層や、その中で生物が残した「生痕化石」を観察。中腹では、50~60 万年前に相模川が東京湾に流れ込んでいた時の河床に堆積した「御殿峠礫層」を観察。登りきった尾根からは、北から東の方向に武蔵野台地や加住丘陵・狭山丘陵、南から西の方向に大学の校舎や丹沢山地を展望し、多摩丘陵や関東平野の地形と地層の成り立ちを学びました。

【約50~60万年前に相模川が運んできた礫(小石)が混じった地層(御殿峠礫層)】

【尾根から北方の浅川から八王子、加住丘陵方面の展望】

【プログラム科目群】多摩ニュータウン物語

テーマ:落合・鶴牧:住宅と緑のネットワーク
実施日:2024年5月15日(水)

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松本真澄先生(建築学科助教)、成瀬惠宏先生(元公団職員、非常勤講師)の案内で、多摩ニュータウン落合・鶴牧地区の街歩きを行いました。多摩センター駅を出発し、ペデストリアン・デッキを進み、改修された「パルテノン多摩」を見学し、タウンハウスや特徴的な中層集合住宅が建ち並ぶ住宅団地の間を抜けて、小田急線唐木田駅までの1時間半の行程です。3つの近隣公園が手をつなぐように配置され、緑豊かな住環境が形成されたこのエリアの開発経緯や住宅団地計画について解説を受けながら、空間を体験しました。

【パルテノン大通りで地図を広げて解説】

【鶴牧山からタウンハウス群の屋根越しにニュータウンを展望】

【プログラム科目群】都政課題

テーマ:都の防災対策について(立川防災館)
実施日:2024年8月21日(水)

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立川防災館では、2つのグループに分かれて、都の防災計画の講習と防災体験コーナーの地震の揺れを体験しました。講習会では、東京都総務局の防災計画課の方々から直接、都の被害想定と防災対策について、地図やフロー図を使って詳細な説明があり、都の地震による被害想定、想定し得る最大規模の洪水や高潮、災害(地震)への備え、災害発生時における初動態勢等を具体的に知ることができました。防災体験コーナーでは、震度7と阪神淡路大震災などの過去に起きた地震を体験、その後に東日本大地震の揺れを体験しました。防災意識が高まる話と貴重な体験をした1日となりました。

【防災体験コーナーで地震体験】

《カレッジ生の感想》
★いつ起こる分からない災害に対して日頃から防災意識をもち、自ら取り組む自助や地域で取り組む共助ができるような備えをしておきたいと、この学習を通して強く思った。
★首都圏に住む人たちへの「自助」「共助」「公助」への理解を促し、実際に対応する方法を学べる防災センターはもっと情宣して、体験者を増やすことは重要だと感じた。
★救出救助コーナーでは、リアルな震災現場を再現した空間で、要救助者の捜索から救助まで体験でき、応急担架のつくり方まで体験できた。

【プログラム科目群】都政課題

テーマ:東京都公文書館の取組について
実施日:2024年9月18日(水)

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東京都公文書館の総括課長代理の西木浩一氏を始めとする職員の方々に公文書館の活動と文書管理の仕組みについて紹介していただきました。最初に西木氏より東京都公文書館の設立の経緯や歴史、文書保存・公開の仕組みについて説明を受けた後、3班に分かれて書庫、閲覧室、展示室を見学しました。書庫では新紙幣に使われている津田梅子、渋沢栄一、北里柴三郎にちなんだ文書を閲覧し、閲覧室では検索システムやデジタルアーカイブの利用について説明を受けました。展示室では常設展と企画展「伊豆諸島 歴史・文化、そして今」(令和6年9月17日で終了しました。)を見学しました。当日は休館日にもかかわらずプレミアム・カレッジの貸切状態で詳しい説明を受けることができ、貴重な経験となりました。

【津田梅子、渋沢栄一、北里柴三郎の関連資料について解説】

【令和6年度東京都公文書館夏企画展 「伊豆諸島 歴史・文化、そして今」】

《カレッジ生の感想》
★戦時中自らの命さえ危ない大変な時期に、古い公文書を疎開させるために奮闘し、戦災から公文書を守った先人たちの苦労と勇気には頭が下がる思いである。
★新しいお札の顔である津田梅子、渋沢栄一、北里柴三郎の手書き文書がそのまま保管されていたことは、驚きだった。
★通常では知ることの出来ない、正に“都政”の一端を知る事が出来る非常に良いプログラムだと感じた。
★貴重な史料がデジタルアーカイブされ、自宅PCからも閲覧・印刷することができるということで、江戸・東京に関する各種情報を積極的に活用していきたいと思った。

【プログラム科目群】都政課題

テーマ:自然公園の利用と保全の取組について(明治の森高尾国定公園)
実施日:2024年9月11日(水)、9月25日(水)

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この都政課題研究が実施される高尾山は、明治の森高尾国定公園にあり、照葉樹林や落葉広葉樹林などの多様な植生と、それに基づく生物多様性が観察できる自然の宝庫であります。そのため、高尾山はミシュランガイドブックの3つ星に登録され、薬王院という名刹や交通の至便性も加わり、多くの登山者や観光客が訪れます。そのため、自然公園の保全と適正利用が重要な課題となり、その課題に取り組んでいるのが東京都環境局であります。都政課題研究では、高尾山頂のビジターセンターを訪れ、東京都レンジャーの活動や具体的な自然観察を通じて、自然資源の保全と適正利用に関する理解を深めました。

高尾山ビジターセンター周辺におけるムササビの巣穴の観察(森と動物の共生を理解)

高尾山ビジターセンター周辺における野生シカの食害の観察

《カレッジ生の感想》
★高尾山は屋久島やイギリス1国に匹敵するような自然豊かな場所であること、そこではチョッキリなどの昆虫やムササビなどの動物の生態についても学ぶことが出来た。
★自然公園の利用形態が多様化するなか、各人がお互いに気持ち良く自然を楽しむためにマナーや、ルールを守ることが大切だと再確認した1日だった。
★自然を守ることで自然に守られていることの重要性を感じることが出来た。
★野外観察は、説明を受けなければ気にしないであろう植物の様子から小さな昆虫の生き様まで解説していただき、とても楽しい観察時間であった。
★登り道では歩くことに気を取られ、周りを見る余裕がなかったが、要所要所で立ち止まり説明いただき、植生の違い、ナラ枯れ、登山道の保全活動などを実感した。

【プログラム科目群】都政課題

テーマ:東京都の下水道事業の取り組みについて(多摩川上流水再生センター)
実施日:2024年11月6日(水)

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都の水再生センターの一つである「多摩川上流水再生センター」を訪問し、前半は施設の見学、後半は「東京都の下水道施策」の講義を受けました。前半の施設見学に先立って本センターの職員の方から、「水再生処理」の仕組みと本センターの特色など丁寧なご説明を受け、その後3グループに分かれ、施設の全容が見渡せる「タワー」、「水再生処理施設」、また一般には公開されていない「連絡管(当センターと八王子水再生センターを繋ぐ地下トンネル)」を見学しました。後半は下水道局計画調整課長より「経営計画2021」に基づく下水道局施策」についてご講義いただきました。本フィールドワークは東京都の下水道事業について学ぶ貴重な経験となりました。

八王子水再生センターを繋ぐ地下トンネル

多摩川ふれあい水族館―多摩川に生息する魚との出会い

《カレッジ生の感想》
★「八王子水再生センター」との相互補完を支える全長670Mにも及ぶ「まっすぐに延びた連絡管」にも素直に感動した。
★下水道事業は、まさしく私たちの毎日の生活や命に直結する大切な事業であると実感した。
★沈殿とろ過を繰り返す汚水処理の過程で、一番重要な工程となる反応槽で、人が合成した化学薬品ではなく、微生物が活躍していることになぜかホッとした。
★私たち使用者が「油を下水に流さない」などの日常的な活動や意識がとても重要であると感じた。
★家庭でできることがある、「油・断・快適」。防災センターと同様、学んだ「ワケ」を付け加えて周りの仲間にアナウンスしたい。

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